ポーランドの心 演劇

ポーランドの演劇活動について考えると、文学に基づいているドラマチックな演劇が昔から代表的であり、ポーランド文化の一部分になっていました。しかし、劇の発達はそこだけに留まっているとは言えません。最近、セリフなしの他の表現技術が人気になり(音楽劇場やプラスチックシアター・フィジカルシアターなど)、演出のために人形や紙・火・陰などが使われています。


何世紀も昔の伝統ある劇場や素晴らしい資格を持つプロの俳優の芝居はもとより、ポーランドの各地方で素人芝居・巡回劇場・本拠劇場を持たない俳優集団もだんだん人々の興味を引ってきています。資金不足にもかかわらず、若い人は演劇に積極的に関与しており、芝居に関する雑誌も発行されているという現状です。多様な演劇の存在や、人々の関与はポーランド人と劇の強い関係を表します。

ポーランドの一番代表的な劇場はワルシャワの「国立劇場 Teatr Narodowy」やクラクフの「国立古劇場 Narodowy Stary Teatr」などです。上演の演目は主として外国と国内の最高傑作に基づき、多くはイェジ・グジェゴジェスキやアンジェイ・ワイダ、コンラード・スウィナルスキ、クリスティアン・ルパなどの有名な監督によって演出されました。

ワルシャワやクラクフに限らず、ポーランドの“劇場図”がだんだん広がるようになり、ポズナニかグダニスクのような主要都市だけでなく、冷戦間にソ連の軍事基地とされたレグニツァという都市も演劇の中心の一つになってきました。

ポーランドの演劇を特徴付けるのは難しいですが、劇と形而上学を組み合わせる傾向が一般と言えます。古典的な演劇にも現代のポーランド人の悩み事を解決する方法が求められています。哲学的・実存的な内省が深められた劇は現代人と非人間的世界での己の存在感の問題を中心にしています。上述した芝居の形式の監督はアダム・ミツキェヴィチのようなロマン派詩人の創作から着想を得、伝統的な儀式を含む劇を演出しています。

その他の演劇の霊感は、スタニスアフ・ヴィスピャニスキの創作に基づいているものもあります。その創作では、カトリックや原始宗教派・古代の伝統・政治と実存的な問題が絡まっており、今でも大勢の人にとって分かりにくいです。

ポーランドの演劇術は豊かな歴史を持ち、文化に強い影響を与えたに違いありません。1989年から全国で演劇祭が行われ始め、ポーランド人と劇との関係も段々強くなってきています。最近、年中、定期的に行われている演劇祭の数は250-280に増えました。その主催者は非政府組織や国立劇場・演劇学校などです。80ぐらいの演劇祭は国際的になり、その中で特にシュチェチンの「KONTRAPUNKT」やポズナニの「MALTA FESTIVAL」を忘れてはいけません。

以上、私は芝居鑑賞の熱狂者としてポーランドの演劇祭を薦めたいと思います。

0 komentarze:

コメントを投稿