「ポーランド人・ロシア人・ドイツ人の冗談」というのはどんな冗談でしょうか。当然ながら、ポーランド人とロシア人とドイツ人が出るジョークですが、このジョークの特徴は、この3国人がいる状況です。一般的に言えば、一人一人が「自分が最高だ」というふうに自慢しているので、誰が実際に最も優秀なのかを決めるために、この3人がいろいろな場に出て一緒に競争し合うという状況です。では、この例を見てみましょう。
ポーランド人、ロシア人、ドイツ人が列車に乗っているとき、誰が一番うまい泥棒なのかをめぐって、けんかをしている。
「それじゃ、いったん電気を消せ」と、ドイツ人が言ってから、電気が消えた。そのあと電気がつくか、つかないかのうちに、ロシア人は靴紐がなくなっていることに気が付いた。
「なんでもないことじゃ。もう一度電気を消せ」と、ロシア人は答えて、電気が消えた。それから、電気がつくか、つかないかのうちに、ポーランド人は、腕時計がなくなっていることに気が付いた。
「なんだ、二人は素人並みだなあ。もう一度電気を消せ」と、ポーランド人は冷静に言った。しかし、電気が消えて、もう一度点いたとき、周りには変化が何もなかったので、ドイツ人とロシア人は笑い出した。そのとき、車掌が近づいてきて、3人に話しかけた。
「悪いんだが、列車はこれ以上先に進めないなんだ。誰かが線路のレールを盗んじまったらしい…。」
以上の冗談は「ポーランド人・ロシア人・ドイツ人のジョーク」の代表例です。しかし、場合によって、冗談にでる人の数と状況は少し違うこともあります。
ポーランド人・ドイツ人・ロシア人・チェコ人の4人がソリに乗って、冬の森を駆けている。突然、ソリの前にオオカミの群れが飛び出した。すると、ロシア人はパニックになってソリを降りて逃げようとしたが、結局オオカミに噛みつかれてしまった。ほかの3人はそれを無視して前に進んだが、あっという間に同じオオカミの群れがもう一度現れて、今度はソリから逃げたドイツ人を捕まえて、噛みついてしまった。それにも関わらず、ソリに残ったポーランド人とチェコ人は森を駆け続けた。結局、オオカミの群れはソリを止めさせたが、そのときポーランド人は急にピストルを出して、オオカミを全部殺した。それから、ウオッカの一本をポケットから出した。
「何で始めにピストルを出してオオカミを殺さなかったんだ」と、驚いたチェコ人は尋ねた。すると、ポーランド人は平気な顔で「4人で、ウオッカ一本だけじゃ足りなかったからだ」と答えた。
ところで、どうしてこの3国人が、いつも冗談に出るのでしょうか。残念ながら、これは答えのない質問でしょう。確かにポーランド・ロシア・ドイツのつながりは強いです。歴史をさかのぼると、第二次世界大戦や共産主義の時代といった共通点も多く、ポーランドはほかの二大国によって被害を与えられました。それで、「ポーランド人・ロシア人・ドイツ人の冗談」は、たぶんポーランド人がロシア人とドイツ人に対して、屈辱を表す方法でしょうか。いいえ、私はそうではないと思います。「ポーランド人・ロシア人・ドイツ人の冗談」には、その二カ国人だけでなく、ポーランド人自身も馬鹿にし、つまり、ポーランド人の馬鹿さこそ笑いのめすのです。そして、どちらかと言えば、冗談で紹介する3カ国人のイメージは、いろいろな固定観念に基づくものに過ぎないので、事実とはあまり関係がないでしょう。ですから、「ポーランド人・ロシア人・ドイツ人のジョーク」は一切侮蔑の気持ちを伝える冗談ではないと思います。
最後に、「親しみ」に満ちている「ポーランド人・ロシア人・ドイツ人の冗談」を紹介したいと思います。
ポーランド人・ドイツ人・ロシア人は長年にわたって無人島でつらい生活を送っていた。ある日、一匹の金魚を釣った。恐怖でいっぱいの金魚は、「もし海に戻させてもらえれば、一人一人の希望を一つずつ実現してあげます」と言ったので、3人は喜んで賛成した。
ロシア人は、「うちに帰りたい」と言って、その瞬間に彼の姿はすぐに消えた。
ドイツ人は、ロシア人と同じように、「うちに帰りたい」と口に出すか出さないかのうちに、彼の姿もすぐに消えた。
最後のポーランド人は少し考えて、このように金魚に話しかけた。
「友達はもうそばにいなくて、なんか寂しい感じだなあ。どうか、二人を返してくれないか。」
ミハウ